
半導体・電子材料をはじめ、モビリティ、産業素材など多岐にわたる分野で事業を展開する機能性化学メーカーである株式会社レゾナック。国内外に多数の事業所を持つ同社では、各事業所が紙やPDFで資材SDS(原料SDS)を個別に管理しており、デジタル化が進んでいませんでした。そのため、本社がグループ全体の化学物質使用状況を一元的に把握することが困難な状況でした。
そのような課題を解決すべく、化学品管理統括部 戦略企画部を中心に、資材SDSの一元管理を進めるべく「ケミカンSDS管理」の全社導入を推進。現在は約16,000件の資材SDSを一元管理し、「ワンデータ」による全社的な化学物質管理の基盤構築を着実に進めています。導入を推進された化学品管理統括部 戦略企画部の皆さまにお話を伺いました。
米田様: 私たちの戦略企画部は、レゾナックグループ全体の化学品管理戦略の立案と、グローバルガバナンス体制の構築を主なミッションとしています。具体的には、グループ全体の化学物質管理規程の策定や各事業所・海外拠点への展開、SDSの審査・決裁ワークフローの構築、そして各関連システムの維持管理なども担っています。
畑瀬様: 私は、業務の一つとして、事業部・事業所からのSDS関連の質問対応と、全社のSDSルール策定を担当しています。製品側のSDSルールと資材SDSのルール、両面から全社の運用を支える役割です。
小川様: 私は「ケミカンSDS管理」の全社展開を主導してきました。各事業所へのケミカンの説明や導入推進に加え、登録されたデータを活用した業務効率化(たとえば法規制対応への活用など)を実際に形にしていくことが今のメインの仕事です。
導入前の課題として最も大きかったのが、資材SDS情報のデジタル化と一元管理の遅れです。以前は各事業所がExcelで独自に管理していました。縦軸に成分、横軸にSDSの法令情報などの記載事項を手入力して、本社から問い合わせがあればメールで回答するという運用です。
本社側がグループ全体を把握しようとすると、各事業所に個別に聞かないといけない。しかも各事業所のExcelフォーマットがバラバラなので、集めてきたデータをすべて手直ししてから統合しなければならない。これを何とかしなければという思いがずっとありました。
米田様: 法規制対応の限界も大きな課題でした。リスクアセスメントの対象物質がどんどん増え、有害性情報も変わっていく中で、手作業でリストを管理し続けることはリソースと精度の点で無理がありました。最初は頑張ってExcelシートを作るんですけど、「その後のメンテナンスどうするのか?」という問題が各事業所で起きていて、抜け漏れのリスクを常に感じていました。
小川様:きっかけは他社様の化学物質管理仲間のお一人からの情報共有でした。「SDSをデータ化して管理するツールがあって、限定キャンペーンをやってるから問い合わせみたら?」といった共有をいただいて、製品資料を取り寄せてみたら結構良さそうだなと。社内で聞いてみると既にケミカンさんと打ち合わせを行っている部署があると耳にして、そこから本格的に検討を始めました。
まず私たちが目指していたのは、本社側からグループ全体の化学物質をワンデータで管理できる体制の構築です。各事業所が個別に管理しているデータを統合すれば、「どの化学物質がどこで使われているか」が一目でわかる。「ケミカンSDS管理」を全社で導入すれば、まさにそれが実現できると思いました。

小川様:一番の決め手は、データ化の精度です。機械的に取り込むだけでなく、専門スタッフが目視でデータをチェックしてくれるので、その点に安心感を持つことができました。データ化の精度が良くないと、結局は私たちがダブルチェックしなくてはいけません。どんなに機能が充実していても、データの精度に不安があると社内の関係者を説得することはできません。
また、本社側への訴求として非常に効いたのが、「業務効率化」という切り口です。「いままで手作業で行っていたこれだけの業務が、ケミカンを導入することでこれだけの効率化に繋がりますよ」という説明が、予算を承認する立場の方々には響きました。
売上に直結する投資ではないからこそ、「効率的に仕事をするためのツールとして、データ化の精度が高いケミカンを使う」というロジックで社内を動かしていきました。
小川様:リスクアセスメントが未整備の事業所や、リスト更新に工数がかかっていた事業所は導入効果を感じてもらいやすいと考えていたため、最初はそういった事業所から試験的に導入を始めました。一方で、すでに独自のシステムを持っている事業所への展開は容易ではありませんでした。最終的には経営陣への直接プレゼンというトップダウンのアプローチで、全社統一の方針を決定することができました。
小川様:現在、約16,000件の資材SDSを一元管理できている状態です。以前はバラバラだったデータがワンデータになったことで、本社側から全社の化学物質の使用状況を一元的に把握できるようになりました。
タグ機能とソート機能も非常に有用で、担当者名や担当部署でソートすることで、16,000件という大量のデータの中から必要なSDSをすぐに絞り込めます。
また「データ化するフェーズ→更新管理するフェーズ→データを活用するフェーズ」という流れで考えると、ようやくデータを活用するフェーズに入ってきた感があります。これからどんどん活用していくなかで、業務効率を実感してもらえるのではないかと思います。積極的に活用している事業所からは「ここはいいね」「こんな機能も欲しい」といったポジティブな声が届いていて、手応えを感じています。
米田様:16,000件という膨大な数の資材SDSを、抜け漏れのリスクなく、精度の高い資材SDS管理ができるデータ基盤ができたことは、コンプライアンスの観点からも、法令対応の確実性をさらに高めることができました。
小川様:一番期待しているのは、SDS改訂管理に関する機能強化です。今は100件登録していたら、改訂のたびに100件分のサプライヤーへ問い合わせる作業が発生します。改訂日でアラートが届いたり、期限が近いものだけ絞り込めたりといった機能があれば、更新管理の工数が劇的に下がるはずです。
畑瀬様:SDSが改訂されたとき、変更のあった差分がパッとわかるようにしてほしいというのが現場からの声です。今は人が見比べて探している状態ですが、「有害性情報が更新されました」といった形で通知が届くようになれば、現場担当者の安心感が上がると思います。
小川様:理想は「”ケミカンSDS管理”を見ておけば、常に最新の情報で自分たちが守られている」という状態です。それが実現すれば、化学物質管理の自律的な体制が本当の意味で完成すると思っています。

米田様:冒頭でも申し上げましたが、法規制が変わり規制対象物質が増え続ける中、手作業での管理はいずれ限界を迎えます。その対策として、「ケミカンSDS管理」のような資材SDSを高精度で管理ができるシステムは非常に有用だと思います。
小川様:SDSをデータ化して業務に活用する上で、データの精度が非常に重要です。SDS管理ツールを導入検討する際は、データ化精度の比較をされることをおすすめします。
畑瀬様:機能面だけでなく、カスタマーサクセスの方々をはじめとした社員みなさんのフットワークの良さや寄り添ってくれる姿勢が本当にありがたいと感じています。機能改善の要望を伝えるとスピーディーに対応してくれる。そういう「一緒に育てていける」関係性が、長く使い続けられる理由だと思います。化学物質管理に課題を感じている企業の担当者にとって、一度情報を収集してみる価値があるのではないかと思います。

