
太平洋精工株式会社は、自動車用ヒューズの開発・製造を中心に、精密金属プレス加工や金型製作を行う部品メーカーです。約2年前、労務管理全般を担う人財サポートチームが新設され、それまで他部署が担っていた安全衛生業務を引き継ぐことになりました。引き継ぎを機に社内の化学物質管理の実態を整理してみると、SDSの保管状況が部署ごとに異なり、全社横断での情報共有に課題があることが見えてきました。
そこで、新設された人財サポートチームが中心となり、「ケミカンSDS管理」の導入と並走しながら、SDSの一元管理、リスクアセスメントの実施、現場教育までを一気通貫で推進。現在は全拠点で安衛法の規制対象物質に関するリスクアセスメントを完了し、全社的な自律管理体制の構築に成功しています。今回は、人財サポートチームのお二方に、「ケミカンSDS管理」導入の経緯から活用状況についてお伺いしました。
斉藤様:私たち人財サポートチームは、社会保険手続きや勤怠管理等の労務管理に加え、安全衛生業務も担う部署です。約2年前にチームが新設された際、安全衛生に関する業務を他部署から引き継ぎました。部署名の「人財」は「財産の財」で、社員が働く上でのベースとなる重要な部分をサポートしていく、という意味が込められています。私はその中で化学物質管理責任者として、今回の導入をメインで担当しました。
引き継ぎ後、まず着手したのが社内全体の化学物質管理の実態把握です。各職場に確認してみると、SDSを紙でファイリングして現場に保管している職場もあれば、「製品設計時に収集したものの、その後の保管場所が部署内で十分に共有されていない」という部署もありました。また、一部の担当者を中心に管理されているケースもあり、全社として情報を共有・閲覧できる体制を整備する余地があることを認識しました。
さらに、現場ごとにリスクアセスメントの必要性や実施方法に対する理解度に差があることもわかりました。近年の法改正でリスクアセスメントの対象物質が大幅に増加する中、改めて対象物質の把握方法やリスクアセスメントの重要性を全社員に周知・教育していく必要があると感じていました。このままでは今後の法改正への対応が難しいと判断し、まずは社内で使われている化学物質の実態を把握するところから始めました。調達部門から過去1年間の購入製品リストを入手し、お取引先企業様に連絡してSDSを収集するという、地道な作業からのスタートでした。
斉藤様:そこが一番苦労したところです。経営層には「管理は各部署で行われている」という認識があったため、今あらためてシステムを導入する背景や理由を理解していただく必要がありました。品質保証の観点でのSDS管理のイメージはあっても、ESHといった側面での管理強化の必要性はなかなか伝わりにくく、「今、自社に何が必要で、なぜそうしなければならないか」を具体性をもって説明することで、経営陣と現場が同じ認識を持って進めることができました。前職で安全衛生を担当していた経験から、法改正への対応の必要性を誰よりも強く感じていたからこそ、現場と経営の目線を合わせることを意識しながら、全管理職が集まる経営会議での共有や、個別の説明を重ねながら導入承認を得ていきました。
斉藤様:「SDS管理」というキーワードでオンライン検索をしたのがきっかけです。いくつかのサービスを調べましたが、正直なところ、ケミカン以外で適切なものが見当たらなかったというのが率直な感想です。
当初、求めていたのはシンプルに「SDSを電子化して、いつでも誰でも検索できるようにしたい」ということでした。しかし調べてみると、ケミカンにはそれ以上の機能が充実していることがわかり、化学物質管理業務全体の改善にも大きく役立つと感じました。
特に重視したのは、法令対応の信頼性です。毎年のようにある法改正へ追従してもらえるサービスかどうかは非常に重要な判断軸でした。「ケミカンSDS管理」であれば、その点でも安心して任せられると判断しました。
斉藤様:一番大きな変化は、現場の担当者が自分で調べて動けるようになったことです。以前は「どこから手をつければよいか分からず、相談の糸口すらつかみにくい」という状態でしたが、今は手元でケミカンを触ってみて、わからない部分だけを相談しに来てくれるようになりました。「社員全体の知識レベルが上がってきた」と実感しています。
検索性の向上も現場で大きな効果をもたらしています。たとえば、「排気装置を設置する場所で使っている化学物質を確認したい」という相談があったとき、以前なら関係者に問い合わせながら該当のSDSを探すところからでしたが、今はケミカンで即座に検索でき、「この物質だったらこういう対応だな」という判断まで素早くできるようになりました。
また、安全衛生だけにとどまらず、環境面での社内規定整備にも波及しています。化学物質管理を入り口に、コンプライアンス文化が社内に広がりつつある手ごたえを感じています。ケミカン導入と同時に策定したSDS管理規定に基づいて、毎年定期的にSDSの更新・チェック・各職場への周知を行う運用サイクルも定着しつつあります。
内山様:私は最近ケミカンを使い始めましたが、化学物質についての専門知識がほとんどない状態でも、登録や編集の操作は複雑ではなく、感覚的に使えています。「化学物質の管理」と聞くと難しそうなイメージがありますが、ケミカンがあれば安心して作業できると感じています。

斉藤様:まだ使いこなせていない機能もあるので、今後はリスクアセスメント機能をもっと活かしていきたいと考えています。また、同じSDSの対象物質を複数の職場で使用している場合に、部署ごとにリスクアセスメントの実施日を記録できると業務がさらに効率化されるのではないかと思います。引き続きケミカンの進化に期待しています。
斉藤様:「化学物質の管理」というと、専門知識が必要でとっつきにくいイメージがあるかもしれません。でも、ケミカンのチェックリスト機能を使えば、法令対象物質を一覧でパッと確認できるので、全てのSDSを手作業で洗い出すような工数はかかりません。安全性だけでなく、環境・品質保証の観点でも活用でき、全社でどう管理するかという視点でも非常に役立つツールです。SDSの管理体制を整えることは、法令遵守はもちろん、現場で働く社員を守ることにも直結します。ぜひ一歩を踏み出していただければと思います。
*チェックリスト:国内外50以上の最新法令による対象物質リストをデータベース化し、各リストに該当するSDSを毎日リストアップします
内山様:化学物質のことをあまり知らなくても、感覚的に操作できるシステムです。専門知識への不安を理由に踏み出せずにいる担当者の方にこそ、一度試してみていただきたいです。
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