株式会社クレハ環境は、「人と社会そして地球環境との調和を大切にする会社をめざす」を企業理念に掲げ、廃棄物処理をコア事業とし、多種多様な業界の企業から排出される化学物質を含有する廃棄物の他、様々な廃棄物を取り扱っています。
2023年労働安全衛生法(安衛法)改正を機に、CREATE-SIMPLEを使用したリスクアセスメントを実施し始めました。しかし事業活動で取り扱う多くの製品や廃棄物の中から、対象となるSDSの抽出とリスクアセスメントの実施が漏れなく対応できていることを確認する方法がなく、継続的に化学物質を管理できる体制を模索していました。
このような状況の中で、「ケミカンSDS管理」を活用しSDSをデータベース化することで、情報管理の効率化を図り、法令遵守の徹底と現場の負担軽減ができると感じたため、導入を決定されました。
今回は、導入の決め手や実際の活用方法、そして導入によって得られた具体的な効果について、本社の佐藤様、小林様、そしてウェステックかながわの室岡様に詳しく伺いました。
室岡様:ウェステックかながわの環境安全部門で、安全衛生に関する仕事を担当しています。安衛法改正に伴うリスクアセスメント体制整備、化学物質に係る他法令のチェック、SDSのデータベース管理など、多岐にわたる化学物質の管理に必要な業務に携わっています。約350件のSDSを保有しており、化学物質を取り扱う部門が、社内で定めた独自のリスクアセスメントルールに基づいてリスク評価を実施しており、その支援業務に携わっています。
佐藤様:私は本社の環境安全部として、全社的な化学物質の法令遵守を統括する立場です。法改正対応や管理状況の情報共有を推進し、ルールに沿った運用をサポートしています。小林も同部署で、本社の環境安全を担当しております。
佐藤様:廃棄物処理業という特性上、化学メーカーのように予め定められた化学物質(=原料や助剤等)だけを取り扱うのとは異なり、どこからどんな化学物質が廃棄物として出てくるか予測が難しいため、総数を把握しきれない状況でした。法改正により「化学物質の自律的な管理」が求められることに伴い、SDSを確認してリスクアセスメントを行う業務が現場の大きな負担になり、対象物質の抽出にも知識と人的リソースが必要で、対応しきれない危機感がありました。
小林様:SDS確認は属人化していた部分もあり、ほかの業務を圧迫していた側面もありました。手作業によるSDS情報更新の追跡は時間がかかり、古い情報に基づく誤判断のリスクも高かったです。このような状況では、「従来までのやり方では乗り切れない」と感じていました。
室岡様:手作業でSDSを確認・転記して対象を抽出する作業には限界があり、どうにかしてSDSをデータベース化し、必要な情報を正確に抽出できる仕組みが必要だと考えていました。その点において、「ケミカンSDS管理」はSDSをデータベース化して一元管理し、誰でも必要な情報を抽出して確認や管理ができるという点に大きな魅力を感じました。また、実際に無料トライアルを通じて直感的にわかる操作性の良さや必要な機能を確認できたことで、導入に向けて安心感を持つことができました。
佐藤様:導入を検討する上で、まずは「一度試してみよう」という感覚で進められたことが大きかったです。「本当にこの価格でいいのかな」と思うほど手ごろに感じましたし、社内で特別な承認を取る必要がないくらいの金額でしたので、厳密なコスト計算をしなくても、導入するには十分な価値と効果があると判断できました。AI-OCRと人による目検を組み合わせた高精度なデータ化」と、「表記ゆれに対応する独自ルール」は非常に信頼できると感じました。
室岡様:最も大きな効果は、SDS情報をデータベース化できるようになり、対象物質の抽出や法令適合確認にかかる作業が大幅に効率化したことです。
以前は1件ずつSDSを確認して対象物質を抽出し、Excelに転記する作業に1件あたり30分から1時間近くかかることもありましたが、それがまとめて処理できるようになりました。
導入直後だけで350件ほどのSDSがありましたが、ドラッグ&ドロップで一括登録し、数日後にはデータ化され使える状態になるなど、これまで人手で対応していた膨大な作業が大幅に軽減されました。また、SDSを機械的にデータ化するだけでなく、人の手によって補完されていることもデータベースの信頼性の高さに繋がっています。
また、現場でも同じ情報を共有できるようになり、人的ミスを減らし、専門知識を持つ人間を専任で配置しなくても対応できる体制を整えられたことも大きな成果です。
各種チェックリストを活用し、例えば、保護具着用義務のある製品を取り扱う部門での安全対策の徹底も進めています。
佐藤様:「今までやりきれていなかったことが着実にできるようになった」という実感があります。チェックリストを活用して、積極的なSDSの更新確認によるリスクアセスメント再実施など、理想ではありながら取り組みが難しかった業務が進めやすくなりました。
小林様:データの正確性が向上し、人的ミスのリスクを減らせたのも大きな成果です。ユーザー数無制限で全社的な利用が可能となり、誰でも同じレベルで化学物質管理に取り組めるようになりました。
室岡様:私たちも導入前は、どこにどんな物質が含まれているのかを調べるだけでも大変で、手作業ではとても管理しきれないという危機感がありました。同じように「どう管理すればいいのか分からない」「人手では難しい」と感じている企業様には、まずは試してみてほしいです。無料トライアルを使って実際に自社の業務に当てはめてみることで、どれだけ負担を減らせるかが実感できると思いますし、専門知識がなくても同じ情報を使って確認・管理できる環境を整えられる大きな価値があると感じています。問題が出てきても相談することもできますし、逆にケミカンから定期的に連絡をいただき、話を進めていくなかで気づいた悩みを相談すると解決策を一緒に考えてくれるサポート体制も大きな安心材料です。
佐藤様:ケミカンでは、最近は建設業界など、我々のように直接モノを作る業界以外での導入も進んでいると伺っています。これらの業種も同様に化学物質を正しく取り扱う必要がありますが、自分たちで勉強するのは難しく、専門の人を雇うのもコストがかかるという同様の課題を持っていると思います。実際に利用している私たちのように、「ケミカンSDS管理」によって解決につながる部分も多いのではないでしょうか。
小林様:まずは自分たちが「何に困っているのか」をケミカンに相談してみてもいいと思います。「何がしたいのか」という内容に対し具体的な提案をもらえましたし、そこを起点として無料トライアルを試してみることも有効なステップだと思います。