機能性フィルムのパイオニアとして、多岐にわたる産業分野に高付加価値な製品を提供し続ける株式会社きもと様。同社では、茨城工場と三重工場で取り扱う約350種類の化学物質のSDS管理をExcelで行っていましたが、2024年4月の労働安全衛生法改正を前に、業務負担の増大と属人化に課題を抱えていました。
本記事では、「ケミカンSDS管理」の導入により、化学物質のリスクアセスメントや法令チェック業務を劇的に効率化し、全社的な安全意識の向上にも繋げた取り組みについて、化学物質管理を担当されている大貫様にお話を伺いました。
私は、サプライヤー様から原料SDSを入手しExcel台帳に登録する作業と、化学物質管理者として化学物質のリスクアセスメントとSDS管理を主に担当しています 。
ExcelシートでSDSの一覧リスト(台帳)を作成し、法令の該当情報などを手入力で記載していくという、かなり手間のかかる方法で管理していました 。マンパワーに頼った業務だったため、記入漏れやミスがたびたび発生し、ダブルチェックが必須になるなど、大きな負担となっていました 。
特に大変だったのが、改訂SDSのチェックです。年間で200件ほどのSDSが改訂されるのですが、その内容を1ページずつ新旧で比較し、差分をExcel台帳に反映させるという作業が必要でした 。その当時は、この方法しかなく、非常に手間がかかるという点が課題でした。
SDS関連業務の専任がおらず、私たちが兼務で対応しています。そのため作業が滞りがちで、2~3年分の改訂SDSチェックが溜まってしまい、それを複数人で手分けして完了させるのに半年ほどかかったこともあります。
また、SDSからExcel台帳に転記したCAS番号などに間違いがあると、各工場で行うリスクアセスメントが正しく評価できないという問題があり、SDS管理の精度が後続の業務に直結する点で非常に苦労していました。
2022年に労働安全衛生法(安衛法)の改正が発表され、2024年4月から化学物質リスクアセスメントが義務化されるなど、化学物質管理業務が増加することが明らかになったことがきっかけです 。
弊社には化学物質管理の専門部署がなく、担当者は全員が兼務で対応しています 。化学物質管理業務が増えることは目に見えていたため、体系的なシステムの導入を検討し始めました。そのような時に、ケミカン主催のオンラインセミナーを視聴し「ケミカンSDS管理」を知りました 。
決め手は2つあります。1つ目は「省力化」と「正確性」です 。特に負担が大きかったSDSの法令該当チェックは、人手では時間がかかりますし、ミスが起こる可能性があります 。「ケミカンSDS管理」のチェックリスト機能は、規制対象物質を含むSDSを自動でリスト化してくれるため、リソースと正確性という2つの課題を解決する上で非常に重要だと感じました 。
2つ目は、厚労省が提供する化学物質のリスクアセスメント支援ツール「CREATE-SIMPLE」との連携機能です 。弊社が「ケミカンSDS管理」を導入した2024年10月までは、手作業でSDSからCAS番号を抜き出してツールに入力していました。「ケミカンSDS管理」導入後は、この連携機能によって、リスクアセスメントシートの作成時間が1/5程度に削減することができました 。
実は、セミナーを視聴してから導入を決定するまで少し時間が空きました 。当初は「100%忠実にデータ化できるのはすごい」と感じたものの、そのデータを我々がどう使いこなせるか、具体的なイメージが湧かなかったのです。
しかし、その後「ケミカンSDS管理」にチェックリスト機能が追加されたことに加えて、CREATE-SIMPLEがバージョンアップして最大10件の複数物質を同時に評価できるようになったことで、弊社の活用イメージに完全にマッチしました 。混合物を多く扱う弊社にとって、この機能改善が導入を決定づける大きな後押しになりました。
法令改正への対応が非常に楽になりました。「ケミカンSDS管理」は、法令のアップデートが迅速なので、常に最新の規制情報に基づいた管理ができます 。以前は自分たちで常にアンテナを張っていなければならず、「法改正に気づかず、いつの間にか非該当だった物質が該当になっていた」といったコンプライアンス違反のリスクがありましたが、その懸念が大幅に解消されたのは大きいです。
業務時間も劇的に削減できました。リスクアセスメント業務もそうですが、法令チェックにかかる時間で言えば、感覚値では1/10程度になったのではないでしょうか 。以前はExcelリストとSDSを一つひとつ見比べていましたが、今は「ケミカンSDS管理」ですぐに該当物質がリストアップされるので、以前とは比較にならないほど効率化されています。
ユーザー数が無制限である点が、予想以上に大きな効果をもたらしてくれています。以前は、SDSが社内ネットワークのどこに保存されているか知っているのは、我々のような一部の担当者だけでした 。しかし、いまでは「ケミカンSDS管理」を通じて、全社の誰でも簡単にSDSにアクセスできるようになり、結果として社員全体の安全意識の向上に繋がっていると感じます。
インターフェースが非常にシンプルで直感的なので、初めて使う人にも説明しやすく、社内に展開しやすかったのも良い点でした。
どの企業様も、今は人手不足の問題を抱えていらっしゃると思います 。その上で、化学物質管理のような業務は専門的な知見が求められます。「ケミカンSDS管理」は、簡単なインターフェースで法令の該当情報などを正確に確認でき、「省力化」と「正確性」を両立させてくれます 。「ケミカンSDS管理」は非常に有用だと実感していますので、導入検討時には無料トライアルをお試しいただいて、自社の課題解決に繋がるか確認いただくのが良いかと思います 。
大貫様 (技術本部 品質保証担当)