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株式会社シーボン

2年半、壁を越えるたびに前に進んだ。化粧品メーカーが実現した、化学物質管理の組織化への道

株式会社シーボンは、スキンケアを中心とした化粧品の製造・販売を手がける企業。栃木県の工場では、生産センターと研究開発センターを合わせて約700品目の化学物質を日常的に取り扱っています。

2023年の安衛法改正を機に、化学物質管理の仕組みづくりが急務となる中、品質管理課の大塚様は「このままでは限界が来る」という危機感を抱いていました。しかし、社内での合意形成には約2年半の歳月がかかりました。

社内の化学物質管理への意識、コスト効率性の観点からの経営判断、役員からの比較検討要求——次々と現れる課題を、担当者と上長がどのように乗り越えたのか。そしてケミカンがその過程でどのような役割を果たしたのか。今回は、その軌跡を詳しくお話いただきました。

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導入のポイント
  • 化学物質を取り扱う現場の意識を、「化粧品原料だから安全」から「ちゃんと管理すべきもの」へと転換
  • 見えない業務コストを可視化し、守りではなく攻めの戦略投資として経営判断につなげた 
  • 検討から導入まで、ケミカンが試算サポート・事例提供で伴走し続けた
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課題
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効果

「大塚さんしか分からない」 一人に集中した700品目の管理

皆様の担当業務と、化学物質管理との関わりについて教えてください。

大塚様:品質管理課で微生物試験と医薬部外品の有効成分の定量業務を担当しています。業務の性質上、さまざまな化学物質を取り扱いますので、化学物質管理者として任命されており、有機溶剤作業主任者や特化物作業主任者としての責任も担っています。安全衛生委員も兼務していますので、化学物質のリスクアセスメント実施は委員会の重要議題の一つです。

以前は研究課にいたこともあり、生産センターだけでなく研究開発センターの実情もよく理解しています。生産・研究を合わせると約700品目のSDSがある中で、どの物質が何の法令の対象になるか、更新時期はいつか。そういった情報を把握しているのが、実質的に私一人という状況が続いていました。

寺井様:私は品質管理課のマネージャーとして、大塚の業務全体を見ています。大塚は複数の資格を持ち、両部署の実情も知っている。それ自体は大きな強みなのですが、裏を返せば「大塚さんがいないと分からない」「大塚さんに聞かないと進められない」という状態でもありました。これは担当者個人の問題ではなく、組織として解決すべき課題だと感じていました。

品質保証の立場でも、EU向けをはじめとした海外市場への展開に伴い、製品や原料のSDS整備の必要性が増してきており、化学物質管理の重要性はますます高まっています。だからこそ、大塚一人に頼る体制を早期に変えていく必要がありました。

当たり前の存在だった化粧品原料が、会社全体の戦略投資に変わるまで

導入を考えるきっかけとなった課題を教えてください。

大塚様:2023年の安衛法改正が直接のきっかけです。リスクアセスメント対象物質が増え続ける中で、SDSをパソコンにPDFで保存し、更新時期をExcelで管理していく方法では、今後の法改正への追従に限界が来るのではないかという不安が募っていました。

リスクアセスメントも、コントロール・バンディングを使って実施してきましたが、数値が高く出やすく保護具対応に偏りがちで、「本当に現場の実態に合った評価ができているのか」という課題を感じていました。より精度の高いリスクアセスメントを実施するために、厚生労働省が提供するCREATE-SIMPLEへの移行も視野に入れていましたが、その対象となるSDSの整備・管理を効率よく進める仕組みが必要でした。

寺井様:現場の作業者も化粧品原料に日常的に接しており、化粧品原料に対する親しみが強い分、改めて化学物質として向き合い、安全管理の意識を組織全体に浸透させることも課題でした。大塚が一人で抱えている業務の全体像を改めて把握したとき、このまま属人化した状態が続けば、会社としてのコンプライアンスリスクにもなりかねないと感じました。

システムの導入を通じて、「これだけしっかり管理しなければならないものなんだ」という認識を全社で共有したいという思いもありました。

社内の理解を得るうえで、最初にぶつかった課題を教えてください。

寺井様:一番最初の課題は、社内の化学物質管理に対する意識でした。化粧品会社なので現場も毎日化粧品原料に触れており、「危険なものを扱っている」という感覚が薄い傾向がありました。

だからこそ、システムの導入を「業務効率化のためのツール導入」としてではなく、「化学物質を組織としてちゃんと管理するための基盤づくり」として位置づけることが重要だと感じていました。ケミカンの導入を通じて、化学物質管理の重要性の理解を組織全体に広げたかったのです。

検討が長期化した背景には、会社の経営判断も関係していたとのことですね。

寺井様:経営層では、コストを抑えつつ、限られた人員の中でどのように業務効率化を図るかという方針がありました。その中でシステム導入の費用を認めてもらうには、実質的な効果を数字で示す必要がありました。

転換点になったのは、大塚が一人で担ってきた業務の「見えないコスト」を具体的な数字で可視化し、ケミカンを導入することでそれがどれだけ削減できるかを試算して提示したことです。「長期的な効率化に向けた投資」という経営判断につながりました。

大塚様:その試算や上申資料の作成にあたって、ケミカンさんが他社の導入事例や活用状況の資料を提供してくださったことが、大きな助けになりました。「こういった企業がこのような形で活用しています」という具体的な事例があることで、社内での説明に説得力が生まれました。数字を出すだけでなく、具体的なイメージを持てる情報を一緒に考えてくれたことが、長い検討期間を支えてくれた一つだと思っています。

経営層・役員への説明で、決定的に効いたのはどんなポイントでしたか?

寺井様:「コンプライアンスのためにやらなければいけない」という説明では、役員の理解を得るのに十分ではありませんでした。

大きく変わったのは、海外市場への展開という成長戦略と結びつけたことです。弊社ではちょうど2023〜2024年頃からEUをはじめとした海外市場への展開を本格化させる動きが出てきていました。海外に展開するためには、REACH規則やSVHCへの対応も含め、原料一つひとつのSDSを整備することが不可欠です。

「会社を大きくしていくためには、この管理体制が必要になる」という文脈で説明することで、役員にも「これは守りではなく、攻めの投資だ」という納得感を持っていただけたと思っています。

比較検討を経て確信した、ケミカンを選んだ理由

承認プロセスの中で、比較検討も求められたとのことですね。

大塚様:経営層への上申の際に、他にも同様のサービスはないのかという確認が入り、比較検討を行いました。その中でケミカンを選んだ決め手の一つは、初期費用がかからない点です。投資判断のハードルを下げてくれた現実的なポイントでした。また、リスクアセスメント実施に必要なオプションが充実していて、使いながら機能を広げていける点も魅力でした。

特に、CREATE-SIMPLEとケミカンが連携できる点は、当時から強く惹かれていました。CREATE-SIMPLEはバージョンアップが続いており、その都度対応していくことへの負担を感じていたからです。ケミカンと連携することで、SDSの整備からリスクアセスメントの実施までをスムーズにつなげられる。そのイメージが持てたことは、大きな後押しになりました。

寺井様:私が特に注目したのはタグ管理機能です。弊社では原料名ではなく社内の管理番号で管理しているため、名称だけでは誰もすぐには分かりません。タグで管理番号と紐付けられることで、社内の管理体系とシームレスに連携できると感じました。「タグは本当にいいな」と、検討段階からずっと思っていましたね。

PDFをアップロードするだけで高精度にデータ化してもらえる点も大きかったです。700品目近いマスターデータを整備していくにあたって、精度の高さとハードルの低さが両立している点が、導入後のスムーズな運用を確信させてくれました。

「自分から動いてくれている」 現場に広がる変化

導入後の変化や、社内の反応についてお聞かせください。

寺井様:導入からまだ日が浅く、定量的な効果はこれからですが、すでに嬉しい変化が出てきています。これまで化学物質管理への関与が少なかった部署のスタッフが、ケミカンの見やすさや直感的な操作性に触れて、自分からSDS登録やリスクアセスメント実施に取り組んでくれるようになってきました。大塚に依頼しなくても、自分たちで動き始めている。これが一番の変化です。

ツールとしての効果だけでなく、意識変革のきっかけになっているという実感があります。

大塚様:現在はSDSのアップロードを鋭意進めています。一元化が進むにつれ、どの物質がどのような法令の対象になるかを誰でも確認できる状態になっていきます。「大塚さんに聞けば分かる」から、「ケミカンを見れば分かる」という状態にしていくことが、今の目標です。

管理から実施まで、つながる化学物質管理へ

「ケミカンSDS管理」への今後の期待やご要望をお聞かせください。

大塚様:SDSの整備が一定進んだ段階で、ケミカンからCREATE-SIMPLEに連携してリスクアセスメントを実施する流れを試してみたいと考えています。コントロール・バンディングからCREATE-SIMPLEへの移行も含め、より精度の高いリスクアセスメント体制を整えていきたいです。また、SDS作成との連携が実現すると、管理しているデータをそのままSDS作成に活かせるようになり、業務の流れがさらにつながっていくと思います。

寺井様:タグ機能をさらに活用して、部署ごとの管理状況をリアルタイムで把握できる体制を作っていきたいです。「どの部署が、どの物質を、どう管理しているか」が可視化されることは、品質管理課として全体を監督する立場では非常に重要です。また、海外展開が進む中でREACH規則やSVHCへの対応にも、ケミカンをうまく活用していきたいと考えています。

同じような課題を抱える企業の担当者へ、メッセージをお願いします。

寺井様:化学物質管理を一人の担当者に任せている状況は、多くの会社で起きていると思います。その方の負担が大きいだけでなく、組織としてのリスクにもなりえます。弊社のように、社内の理解を得るまでに時間がかかった会社でも、ケミカンさんは数字の試算や事例の提供など、上申に必要なものを一緒に考えてくれました。検討が長引いても、寄り添って伴走してくれる姿勢が、最終的に導入を実現できた大きな理由の一つです。「分からないことも相談できる」安心感は、導入後も変わらず続いています。

大塚様:上申の過程で、ケミカンさんには費用対効果の試算や他社事例の資料など、社内説明に必要な情報を丁寧にサポートしていただきました。「どうすれば社内を動かせるか」を一緒に考えてもらえたことが、長い検討期間を経ても前に進み続けられた理由です。担当者一人で抱え込まず、ケミカンさんを巻き込みながら進めることで、道が開けていくと思います。

ケミカンSDS管理 事例集ケミカンSDS管理 事例集
株式会社シーボン
業種
化粧品製造販売業
導入製品
ケミカンSDS管理
課題
法令チェックを効率化したい
リスクアセスメントを効率化したい
属人化を解消したい
利用範囲
生産センター・研究開発センター
取材日
2026年6月
人
お話を伺った方
  • 大塚様(品質管理課/化学物質管理者)
  • 寺井様(品質管理課 マネージャー)
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