
高級化粧品の製造・販売を行い、「素肌と生きる。」を企業メッセージに掲げる株式会社アルビオン。同社内では、法改正に伴う化学物質管理の自律的な対応(リスクアセスメント実施体制の強化)が急務となっていました。
既存の薬品管理システムに加え、新たに「ケミカンSDS管理」を導入することで、膨大なSDSのデータ化と法規制チェック体制を確立された背景と効果について、研究所内「薬品管理チーム」の皆様にお話を伺いました。
飯野様:私たちは全員、東日本橋研究所に在籍しております。私は素材研究グループで、新規素材や植物エキスの開発、新製品のコンセプト作りなどを担当しており、自社でのエキス抽出や各種試験に使用する有機溶剤などの試薬類を扱っています。
北井様:私はメイク製品研究グループでファンデーションやアイカラーなどの処方開発を、坂本はスキンケア製品研究グループで化粧水や乳液などの開発を行っており、油剤・界面活性剤・粉体などを普段の業務で取り扱っております。
坂本様:私たち3名は「安全衛生委員会」のメンバーであり、その中で「薬品管理チーム」として化学物質管理の実務を担当しています。2023年の法改正を機に飯野と他1名が「化学物質管理者」の資格を取得しましたが、研究所全体の管理となると2名では対応しきれず、北井・坂本も各グループを代表して参画し、チームで運営することになりました。

飯野様:一番の課題は、法改正に伴う「リスクアセスメント」を実施するためのデータベース整備と、それにかかる工数でした。まずは、在庫管理と使用量管理を目的に薬品管理システムの導入を行い、保有している各種試薬・原料の在庫と使用量の見える化を行いました。次に、リスクアセスメントを実施しようとしたところ、対象物質の成分情報や法規制情報を薬品管理システムのマスタ情報に正確に紐づけることに限界を感じました。
特に化粧品原料は純物質ではない混合物が多く、SDSに記載される成分が複数にわたるほか、CAS番号が記載されていないSDSも多く、カタログデータをそのまま取り込むだけでは薬品管理システム上での正確な該否判定は不可能でした。
以前、手作業で1,000件超のSDSを目検で確認し、CAS番号をシステムに入力する作業を行ったことがありますが、それだけで5人がかりで丸2日を要しました。これを継続的に、しかも法改正のたびに行うのは、私たちのリソースでは不可能だと痛感しました。
飯野様:最大の決め手は、「専門スタッフによるチェック機能」があることです。単に文書を電子化して保存するだけのシステムなら他にもあります。しかし、SDS管理や法規制対応を社内の人間だけで完結させようとすると、専任の部署を作り、専門知識を持つ人材を採用・育成しなければならず、人海戦術にならざるを得ません。
その点、ケミカンであれば、SDSをアップロードするだけで専門スタッフがデータを電子化し、法規制情報をチェックしてくれます。私たちのような研究開発部門にとって、専門のスタッフを有している会社に1次チェックまでアウトソーシングできる仕組みは、コストパフォーマンスの面でも、コンプライアンスの面でも非常に魅力的でした。安衛法などの複雑な法改正情報を、自分たちで追いかけ続ける負担を無くせると判断しました。
飯野様:在庫管理と使用量の記録は既存のシステムで行い、リスクアセスメントや法規制情報のマスターデータ管理は「ケミカンSDS管理」で行うという役割分担をしています。ケミカンで電子化・チェックされた正確なデータをCSV等で出力し、それを薬品管理システム側に取り込むためのカスタマイズもお願いしました。これにより、薬品管理システム側のデータベースも綺麗に整備され、両システムの強みを生かした運用ができています。
北井様:まず、「チェックリスト」の出力機能が非常に便利です。単に「規制対象です」と出るだけでなく、「なぜそのリストに載ったのか」「SDSのどの記載に基づいているのか」という理由まで明確になるため、確認作業が効率化されました。また、メモ機能やタグ機能を活用することで、「CAS番号上は対象だが、実際はこの原料は対象外」といったメーカー確認情報もシステム内に履歴として残せるため、チーム内での共有がしやすくなり、チームのメンバーが増えたり変更があったりしても引き継ぎがスムーズになるだろうと感じます。
*チェックリスト機能:SDSに記載された化学物質について、特定の法令や評価基準に該当する物質を複数のSDSファイルから一括で検索・抽出できる機能。検索条件は法令種別や物質名などで柔軟に設定可能。
坂本様:私は、操作性の良さと週次メール通知に助けられています。画面が直感的で分かりやすく、どこを見ればよいかが一目瞭然です。また、週に1回「これだけ法改正がありました」「追加分が発生しています」といった通知メールが届くのが良いですね。今まで自分で能動的に調べにいかなければならなかった法改正対応の情報が自動で届くようになったことで、「やらなきゃ」という心理的なハードルが下がり、化学物質管理そのものへの苦手意識が薄れました。
飯野様:やはり、SDSのデータ整備が適切に行われるようになったことが大きいです。GHS区分などの情報も、以前はCAS番号から機械的に引っ張ってくるだけで不正確な場合がありましたが、「ケミカンSDS管理」導入後は正しいデータを薬品管理システムに反映できるようになりました。手作業なら膨大な時間がかかるデータ更新作業が短時間で完了するのは、本当にありがたいです。

北井様:最初の一歩は踏み出しにくい部分もありますが、こちらの要望を丁寧に聞きながらカスタマイズし、一緒に良くしていこうとしてくれる姿勢がとても取り組みやすかったです。通知メールで法改正の動きも把握できるようになり、“一緒に化学物質管理を育てていけるサービス”だと感じています。
坂本様:週1回の通知メールで法改正や追加分の情報が自動で届くようになり、調べる手間が減ることで化学物質管理へのハードルを格段に下げることができると思います。またケミカンの展望としてSDSデータの蓄積を掲げられており、将来的にはSDS作成者と受領者のプラットフォーム的な場として機能するサービスになりうると感じています。
飯野様:何よりお伝えしたいのは、「SDSの管理・閲覧地獄から解放される」ということです。導入検討中の皆様も、今は一つひとつSDSを目視確認して、法規制に該当するかどうかを判断されていることと思います。その業務をケミカンに任せることで、正確にSDSのデータ化が行われ、信頼できる法規制チェック体制を構築できます。まずはトライアルなどで「解放される感覚」を体験し、本来の研究開発業務に集中できる環境を手に入れていただきたいですね。
